古金屋の日記

生まれた時にはスクラップ屋、そして今もスクラップ屋

古金屋とヤード業者(その1)

今回は昔からあるスクラップ屋とヤード業者との違いを見ていきたいと

思います。

 

昔からあるスクラップ屋は基本的に国内電炉(スクラップを溶かすメーカー)へ

の納入を行うために各種様々な加工を行います。

この作業を行う会社のことを通称、問屋と呼びます。

問屋は入ってきたスクラップを見て値段を付けます。

厚さ、長さ、素材から鉄であれば30種類ほど、非鉄であれば50種類ほどに

見分けて検収を出します。

それぞれに値段が設定されているので数量×単価で合計金額を出します。

入ってきた鉄屑から不純物を取り除きます。電線やモーター、トランス、

その他鉄屑以外を手作業や重機で取り除き、切断機(通称:ギロチン)に

投入し、圧縮して切断します。

この際にポイントは長さに制限があることです。基本は80cm以下と

なっています。

鉄を溶かす時に使うのがお釜になります、深い鍋と思っていただければ

分かりやすいと思います。

これに効率よく詰め込んでいくには、サイズと圧縮率が肝心となります。

がさがさだと量が入らないので不効率ですよね。

切断された物をストックして、トレーラーに積み込んで出荷します。

電炉メーカーに納めるのにも納入権が必要になります。

誰もかれもが持っていけるわけではありません。

ですからここまでの作業を行うために、計量する台貫、荷下ろしをする

天井クレーン、重機(通称ユンボ)、フォークリフトなどの設備が

必要になります。

スチール缶、アルミ缶を取り扱うならプレス機も必要ですね。

更に複雑なもの(鉄+アルミ)、(鉄+プラスチック)のように

数種類の物が組み合わさって出来ているものは破砕機にて破砕して

細かくして選別をします。

昔は手作業で解体していましたが、効率化のために破砕機があります。

まあ、ここまでやれば中間処理業許可も取得することにもなりますので、

外周を囲い、床面は全面コンクリート、工場の全周にU字溝を設け、

油水分離槽を設置します。

そして、玄関には中間処理業許可の看板。

ここまで出来ていれば問題ない会社だと思います。

スクラップを扱う上では、中間処理業は必要ありません。

なぜ必要ないかというと、有価物であれば廃棄物ではない、つまり

ごみではないので許可はいらないということになります。

細かく言えば、古物商の許可は必要ですが。

地区によっては、金属屑商(公安委員会許可)が必要になります。

電子機器類を扱うには、有害電子機器取り扱いの許可が必要になります。

有害電子機器取り扱いのライセンスについては、中間処理業許可に対象品目が

入っていれば取得は不要です。

 

その2に続きます。