古金屋とヤード業者(その2)
前回(その1)では古金屋=スクラップ問屋のことを書きました。
さて、今回はヤード業者と言われる方々のことを書いていきたいと
思います。
ヤード業者がどのように発生したかというと、これまた中国が絡んでくる
ことになります。
中国の人件費は昔20年ぐらい前はすごく安いものでした。
私が最初に行ったのはもう30年ほど前ですが、まだ工事の足場は竹や丸太で、
走っている車はVWサンタナのぼろぼろになったものばかりでした。
その時にでも銅やアルミ、ステンレスなどは国際相場で販売できる、つまり、
世界から複合品、例えばエアコン、給湯器、配電盤、モーターなど、銅を
使用した製品で、銅のみを取り出すのに手間がかかる品物を安く仕入れ、
安い人件費で分解し、販売するという手法で伸びてきました。
まあ、この際にいろいろ問題はあるのですが、世界中が解体が面倒なものが
売れるということで中国に品物が押し寄せました。
そうすると商魂たくましい中国人は、自ら日本に来て、または日本にいる友人や
親戚、はたまた日本在住の強みを生かし、自ら品物を集めることにしました。
場所は元畑でも、スタンド跡地でも借りられればOKです。街道沿いなら
なおさら歓迎というところでしょう。
とりあえず地面均して、砂利入れて、周りに壁作って、プレハブ置いて、
台貫おいて、ユンボ持ってくればはい、完成!ってなもんです。
なにせ、これやるのに資格が必要ないというところが大きいです。
厳密にいえば古物商のライセンスがいるのですが、これも仲間にとって
もらえばそれでよし。なぜなら盗難品などで調査が入らないと警察も個々に
調査にはほとんど行ってないのではないでしょうか。
それに加え、税務関係もかなり怪しいと思われるところも多々あると聞いております。
まあ、かなりの数のヤード業者は日本国籍でない人々がやっているので、家電リサイクル法?なにそれ?おいしいの?ぐらいの感じでかないんでしょう。
出す側にも問題あるのですが、売れるとなれば小遣い稼ぎにそのような
ヤード業者に運んで、伝票の名前は匿名でもやってるんではないでしょうか。
このような業者とまじめにやってるスクラップ問屋では勝負になりません。
なのでまともな業者がどんどん疲弊していくことになります。
悪貨が良貨を駆逐する、まさにこの言葉通りですね。
日本国内の法律をきちんと遵守していたらこんなにも増えることはありません。
いまのところどうにも対処しようもないのでちょっとづつ増えている感じですかね。
2020年現在はほぼ中国への輸出は止まりました。
現在は、日本国内で中国の職人を連れてきてヤードの中で解体していると聞きます。
もちろん日本人よりずっと安い給料で、本社からの研修社員名目で、数か月で
交代させて仕事をしているそうです。
郷に入れば郷に従え、ということで、日本の法律に従っていただきたいものです。
無理だろうな~。