古金屋の日記

生まれた時にはスクラップ屋、そして今もスクラップ屋

古紙の輸出問題

古紙の価格が大幅下落

今年はスクラップ価格だけでなく古紙が輸出が冴えなく

価格が下落しています。

まだ、余りものに値段なし、にはなっていませんが輸出次第では

このような状況になるかもしれません。

世界的に紙を使用しないデジタル化が進んでいます。

私も個人的にはマンガが好きなのですがすべて電子媒体で購入して

います。

場所取らないし、いつでも保存してあるだけ見れますので。

では、余った紙はどこへ向かうのか?

プラと混ぜてRPF?

これもすでに満杯状態で質の悪いものは受け入れ規制が入っている

そうです。

まあ、業者の淘汰が始まっているということでしょう。

紙は廃棄物(処分費用)になった場合には、専ら物での取り扱いが

可能です。

江戸時代から続いてきたこのリサイクルルートを壊すことが国民に

とって不利益となるなんて考えたのかどうか。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の中に専ら物として定義されて

いるのが「くず鉄」「古紙」「ビン」「古布」になります。

専ら物とはそのほとんどがリサイクルされる確率が高いもの。

つまりリサイクルルートが日本全国にあるので、不法投棄になる

物にはならないということでしょう。

昭和45年の法律で高度成長期に向けて日本はちょっと前の中国のように

資源を爆食いしておりました。

なので、リサイクルルートが確立されている、一般市民から出る

のが多数を占める、自治体がその任を負う、などのこともあり許可不要

となったのではと推測します。

ここで間違ってはいけないのが、処理費用が掛かるものは廃棄物です。

それを取り扱うには処理業・収集運搬業の許可を受けなければなりません。

それを特例扱いで業の許可を取得しなくても取り扱ってよい、という

ことになったのです。

古紙問屋と言われる方々は基本的に中間処理業を持っていません。

なぜなら有価で取り扱うのが基本であり、それを資源として販売するので

廃棄物の許可は不要というわけです。

今までは行き先があったので価格は下がっても問題になることはそれほど

ありませんでした。

むしろスクラップより価格の安定度ではよかったのではないでしょうか。

現在、この行先に暗雲が立ち込めている状況です。

では行先の無くなった古紙はどうなるのか?

 今の行先ではない新たなる行先を見つける(中国ではないどこかですね、

 その際には売値から海上運賃他を引いた時にマイナスになることも考えて

 おくことも必要となるでしょう)

処理費用を払えば製紙メーカーは引き取ってくれるのか?

 こればかりはメーカーに聞かないと分かりませんので回答は出来ないです。

 ただ、それから製品を作っても売れなければ在庫の山になるのでどうでしょう?)

産廃への道

 実はこれが一番難しい。紙で溶けるので管理型処分場で埋め立てか、焼却場で

 焼却処理か。どちらもすでに先に起こっている廃プラ問題で満杯の状態です。

 通常の産廃でさえ処理先に困ってるのにこれ以上新規では受けられないのが

 現状です。

 

ということでそのような事態に入った場合は、政府に出てきていただくしか

ないですね。

民間の力ではもう無理無理ではないでしょうか。

以下はすべてこの可能性があるのではというお話です。

信じるか信じないかはあなた次第です。

静岡の御前崎に大栄環境さんが焼却炉を建設しようとしたらなぜか地元市議会議員

から誘致され、土地の契約は市長が代表を務める市の外郭団体と行いさあ、建設の

準備を始めると市民から反対が。

来年市長選を控えた市長は多分これはまずいと思い、市民投票で決めようと

言い出しました。結果、反対派が多数(9割以上?)を占めて投票は終了。

市長は大栄環境に焼却場を設置しないように依頼、更には市長ルートを通じ

県知事からも書類を提出しないように要望するとのこと。

でも住民投票にはなんの強制権もないんですよ。

静岡県だって中間処理場の書類が提出されてルール通り進めれば許可を

出さないわけにはいかなくなるので書類を出さないように(まあ、出すなよって

言ってるに等しいけど)お願いするって話ですよ。

 

さあ、ますます処理先に困る未来が見えてきました。

さてさて、来年はどうなるかな。

それでは今年のブログは本日が最後となります。

皆様良いお年を!