古金屋の日記

生まれた時にはスクラップ屋、そして今もスクラップ屋

金属屑商のその後

前回から間が開いてしまいましたが続けてみましょう。

 

さて、前回は金属屑商で終わってますので続きからですね。

この金属屑商は古物商とは違う意味の物でした。

管轄は警察なんで同じなんですけどね。

古物商とは古美術品や芸術作品などが基本でした。

スクラップも古物といえば古物ですが、意味合いが違います。

価格も違いますのでやはり分けたほうがよいだろうとのことからかは

分かりませんが別ものとして出てきたんですね。

そしてスクラップの盗難からの販売が減るとともにこちらの免許も

廃止されていきました。

リーマンショック前にスクラップ価格が上がりすぎたのと、

海外(主に中国)の人たちが許可が要らない(目が届かない)のを

いいことに始めたヤードなんて言うのも出てきたりでもう一度

復活させる警察もあったりしました。

現在は、中国へ売れなくなっていて沈静化しているので

これ以上復活させる警察は無いかな。

環境省も重い腰を上げて、有害電子機器という項目を作り許可ないと

取り扱っちゃだめよ、という法律を作りました。

これ自体は非常にハードルが高い許可で、ほとんど産廃の中間処理業

許可と同レベルの設備が必要になります。

つまり、有価でも認めないよと、言ってるんですね。

まあ、一番は中国に雑品という名の付加価値鉄屑が売れなくなったことが

ありますけども。

そもそも雑品という言葉は何を示すのか?

鉄屑に価値のあるものが多く含まれているので解体は面倒だがメリットは

大きいので高く買うよ(スクラップより)ということで市場ができました。

ただ、これが結構曲者でして、業者によってはゴミも混ぜて目方を

増やしたり、そもそもそんなに価値のないものを混ぜたりしていて

なんだかな~という感じでした。

見せてもらった輸出業者はすでにありません、倒産しましたね。

稼いだお金はどこに消えたのかは税務署に任せます。

とまあ、こんな実態もあったので、各都道府県が出来るのは金属屑商の

許可で縛る事だったんです。

それで業界は一応落ち着いたかのように見えていますが、今度は今度で

スクラップ品の受け入れ禁止を中国が出してきたんですね。

鉄に不純物が付いているものはだめでも、銅屑とか真鍮屑はどうして

ダメなの??

答え:中国はスクラップ品で物を生産する国ではもはやないから。

いや~、リサイクルって言葉はないんでしょうか。

いままでさんざんリサイクルしてきたのにここにきてなぜ?

答え:あまりにも貧富の差が激しくなり、リサイクルしている

ところの環境(主に労働環境)が悪いから。

なので国内はもとより世界中から集まってきた電線屑もだめとなりました。

よく考えれば家庭のコンセントにつなぐ家電のコードって

中の銅含有率は30%以下なんですよ。

つまり周りの被覆分、重量比で70%はビニール。

このビニールを環境に気にせずにリサイクルすれば安くリサイクル

出来ます。

つまり捨てるところがなく、周りのビニールも売れれば商売は

成り立つんですね。

でも現在は中国はだめ。

マレーシアに向かっていますが、そこでも周りのビニールはリサイクル

できない。

噂では結構積みあがってゴミ山になっているとのことです。

そんなことから東南アジアの国々では、矢継ぎ早に規制がはいってきて

います。

 

 

さて、今回はここまでです。